【網干歴史講座 歴史点描 7】

文献資料から探る「網干歴史講座」を開催しております。
日時:毎月第3月曜日
        10:00~12:00
月謝:500円 (材料費別途)
講師:田中早春先生
ご興味のある方は、是非ご参加くださいませ。

【歴史点描 7】 津市場稲荷神社と火揚げ場跡

 網干区内でもいち早く村落が形成された(『網干町史』より)という津市場の稲荷神社は、

村の南端に位置し小字は「村西」といい、下余部と垣内の境界になります。

神社は隆禅上人が朝日山大日寺より、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を勧請されたと伝えられ

(『津市場民土歴考誌』より)、

これ以前に創建された真宗播磨布教の拠点であった津市場道場(専稱寺)の守護神として、

神仏混淆の稲荷神社が同一境内で共に近隣で多くの信仰を集めて賑わったといわれています。

境内社に由加社(本殿向かって右側)と恵美須社(左側)があります。

津市場西公園の北東の角に建つ、平成14年1月地元自治会による「火揚げ場跡」の碑文によれば、

この辺りは古くは「稲荷河原」と呼ばれていましたが、現在は道路に変更されていたりその河原の

面影を留めてはいません。

旧暦7月16日の宵から、深夜に渡って行われた火祭りで豊作祈願とも精霊供養とも言われ、

拝殿奉納の絵馬にその様子が克明に描かれています。

津市場の慶長6年(1601)検地帳に「いなりのりょう」の小字があり、「りょう」は「領」であったと

考えられ、稲荷河原を含めてこの辺り一帯が稲荷神社の神域であったことが想定されます。

                                  

                            網干歴史講座会員 肥塚昭子

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